1 県管理道路の路面下空洞調査について平成28年11月、JR博多駅前で発生いたしました、地下鉄工事によります大規模な道路陥没事故、これを契機に道路陥没の危険性が、報道などにより多く取り上げられるようになりました。
しかし、様々道路陥没事故は起きております。国土交通省の調査によりますと、全国の道路陥没は年間約1万件発生しており、その中でも、老朽化した下水道管に起因する陥没が年間約4千件も発生しているとのことです。
本県の管理道路では、従来から実施しているパトロールカーによります定期点検、すべての管理道路を週1回以上の頻度で路面の状況を点検していると伺っており、加えて、道路緊急ダイヤル♯9910などを通じて道路利用者から情報提供を頂きながら、早急の陥没等の路面異常(いじょう)の発見、迅速な補修(ほしゅう)に努めていると聞いております。
私は、平成29年2月の議会におきまして、この「路面下(した)空洞調査」の実施について当局の考えを伺ったところ、調査を進めていくという回答でありました。この「路面下(した)空洞調査」は、道路の路面下(した)という見えない場所を調査するものですが、現況(げんきょう)交通への影響を考えますと、いたずらに掘り起こして空洞を調査することは非常に困難であります。そのため、レーダー等(とう)の新しい技術を使い調査しているのが全国の一般的な調査となっていると伺っております。
そこでお伺い致します。
本県では、昨年度(さくねんど)より路面下(した)空洞調査に着手したとのことですが、その結果、どうであったか、また、この調査は、高度な技術とノウハウを持って進めるべきだと考えますが、今年度の調査については、どのような方針で進められるのか、お伺い致します。
1、(建設部長答弁要旨)
県管理道路の路面下空洞調査についてのお尋ねのうち、まず、昨年度の調査結果についてであります。本県では、道路の陥没事故を未然に防ぐことを目的として、昨年度より、路面下空洞調査を試行しております。調査対象としては、道路陥没が急増するといわれる、下水道管を布設した後30年が経過した道路のうち、緊急輸送道路であり、かつ、交通量が1日1万台以上である区間、約180キロメートルとし、3箇年で調査を行うこととしております。
昨年度は、このうち豊橋市、一宮市、岡崎市の3市において、道路延長約75キロメートルの調査を実施しました。調査は、まず、予備調査として、地中レーダーを搭載した探査車を走行させ、収集したデータを解析することにより、「空洞」と思われる箇所の概ねの大きさと深さを把握しました。次に、その中から、道路の陥没につながる可能性が高いとされる、「広がりが大きく、かつ、路面から浅い」72箇所について、交通規制を行い、路面に開けた穴から小型カメラを挿入するなどの詳細調査を順次行うこととしました。
昨年度は、そのうち52箇所について調査を実施し、その結果、補修が必要な「空洞」を35箇所、将来空洞になる恐れのある「地盤のゆるみ」を11箇所、把握しました。それ以外の6箇所については、古い埋設管などで、陥没につながるものではありませんでした。なお、35箇所の「空洞」につきましては、現在、補修を進めており、11箇所の「地盤のゆるみ」につきましては、経過を観察してまいります。
次に、今年度の調査の方針についてであります。
交通規制を伴う詳細調査は、費用の面だけでなく、道路を利用される皆様へご迷惑をおかけすることから、予備調査段階で、いかに正確に「空洞」や「地盤のゆるみ」を把握できるかが、重要となります。路面下空洞調査の分野では、日々技術革新が進められていることを踏まえ、今年度は、企業の技術力をより的確に審査する手法を採用することで、予備調査の精度をさらに向上させ、効率的な調査を実施してまいります。
2、来日外国人の犯罪について現在本県では、平成28年度から平成32年度までの5年間を計画期間とする「あいち観光戦略」に基(もと)づいて、来年2019年に豊田スタジアム等で開催予定のラグビーワールドカップ2019日本大会を通じた、外国人観光客の誘致に力を入れられているところであります。
東京2020(にぜろにぜろ)オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を好機(こうき)としてオリンピックイヤーまでに4000万人の訪日外国人旅行者を目指し、主にアジアの方々の入国ビザの緩和(かんわ)など、各施策(しさく)が推進されているところであります。
一方、産業の国際競争力(きょうそうりょく)の強化や日本経済の発展、また、人口減少の少子・高齢化に伴う労働者不足問題への対策として、外国人労働者の受け入れが話題となるようになりました。医療、福祉、運輸、建設業などを中心とした非製造業では、慢性的に求人が増加しており、製造業の新規求人数も2016年後半以降、鉱工業生産の緩やかな上昇を背景に増加しております。
大村知事は、先の本議会提案説明の中で、「新たな在留資格の創設に伴う外国人材の受け入れは、多くの外国人が、生活者として、広く全国に定着(ていちゃく)していくということであり、地域の社会経済に、想像を越える非常に大きなインパクトを与えることになります。」とおっしゃられました。私も全く同感であります。
本県を調べてみますと、平成20年末では、約22万8000人、24年末では約19万6000人と3万人ほど減少しますが、平成29年末には、過去最高の約24万3000人と外国人誘致が増加しております。都道府県別に見ても、東京に続いて全国第2位の数値となっています。外国人観光客の誘致(ゆうち)の推進におきましても、人手不足の解消におきましても、愛知県が外国人の方々に魅力ある県として、大いに来ていただき、定住していただかなくてはなりません。
しかし、一方で、どうしても避けて通れないのが、治安の悪化という問題です。国際犯罪組織が日本へ浸透する恐れがあることや、犯罪も地下銀行、偽装結婚など様々であり、その手口も巧妙化しつつあると聞いております。日本人、外国人にかかわらず、本県で生活する方や観光で来られる方、全ての方にとって、安心な地域づくりを進めていく必要があります。この点、治安はどのような情勢になっているのかお伺いしたいと存じます。
最近の外国人検挙数は、増加傾向にあると思われますが、検挙された外国人の内訳、また、犯罪傾向はどうなっているのか、現状を踏まえ、取り組みの対策についてもお伺い致します。
2、(警察本部長答弁要旨)
最近の外国人の検挙人員等及び取り組んでいる対策についてお答えいたします。平成29年中の愛知県における来日外国人の検挙人員は1,139人と、平成24年の777人と比較して、この5年間に約47%増加いたしております。
平成29年中の検挙人員を国籍別に見てみますと、ベトナムが333人、中国が218人、ブラジルが168人、フィリピンが130人となっており、上位4か国で全体の約75%を占めております。中でもベトナムは、一昨年、中国を抜いて最多となっており、平成24年中の検挙人員と比較いたしますと、5年間で約3倍に急増しております。
来日外国人の検挙人員を罪種別に見てみますと、窃盗犯と出入国管理及び難民認定法違反が検挙人員全体の約54%を占めており、最近ではクレジットカードや身分証の偽造、違法薬物に関連した事件、さらに殺人等の凶悪事件も発生しております。
来日外国人に対する対策といたしましては、その多くが不法滞在者であることに着目し、身分証の偽造・密売事件や、彼らに対して、住む場所や働く場所等を提供する犯罪インフラ組織の摘発を進めるなど、取締りを徹底し、犯罪を犯す外国人が定着や活動しにくい環境をつくってまいります。
3、病児・病後児保育について<我が国の総人口は、平成29年に、1億2、671万人となり、8年連続で前年を下回る状況にあります。平成28年の出生者数は、97万6、978人となり、明治32年の統計開始以来、初めて100万人を割り込みました。また、一人の女性が、一生のうちに産む子どもの数を推定する「合計特殊出生率」も、平成17年に過去最低の1.26を記録致しました。
一方、女性の社会進出は一段と活発になり、女性の就業率も上昇傾向にあります。特に、20歳代から30歳代にかけて、出産や子育ての時期にある女性の就業率は、総務省の「平成29年就業構造基本調査」によりますと、25歳から39歳の女性のうち、働く人の割合は、75.7%と過去最高を更新し、今後も、この傾向は続くものと思われます。こうした子育て世代の女性の就業率上昇により、当然のことながら、保育園等に対するニーズも大幅に上昇しております。
本県の保育所等への入所申込数は、子ども・子育て支援新制度が始まりました、平成27年4月時点で、約14万6千人でありましたが、本年4月には、約15万6千人に達し、この3年間で、実に約1万人も増加致しました。今後も、女性の就業率の上昇により、更なる保育ニーズの増大が想定されますことから、保育所等への入園希望者全てが入園でき、待機児童を出さないように、増大する保育ニーズに的確に対応した、保育の受け皿整備を着実に進めていく必要があります。
我々、公明党は、代表質問においても犬飼議員から、全国で「100万人訪問・調査」運動として、本年4月から6月までの3ヶ月間にわたり、「子育て」、「介護」、「中小企業」、「防災・減災」の4つのテーマについて、有権者の方々のご自宅や企業を訪問し、直接、お話を伺いながら、アンケート調査を実施した旨、話しがありましたが、その中で、働きながら子どもを安心して、産み、育てることのできる社会を実現するためには、経済的な支援、保育の受け皿整備による待機児童解消だけでなく、病児・病後児保育や休日保育、夜間保育など、多様な保育サービスの充実が必要であるといった声も数多くいただきました。
私の地元である春日井市では、現在、診療所に併設された病児・病後児保育施設が3ヶ所ありますが、人口30万人を越える規模の割には、少ないのではないかと感じています。どこに住んでいても、手軽に利用できるよう、病児・病後児保育施設の更なる整備促進が必要であります。
そこで、病児・病後児保育の拡充に向けて、県として今後どのように取り組んでいくのか、お伺い致します。
3、(健康福祉部長答弁要旨)
病児・病後児保育における今後の取組についてお答えいたします。病児・病後児保育事業は、病気のため保育所や小学校へ行くことのできない子どもを、病院や診療所等に付設された専用施設において、一時的に預かる事業であり、働きながら子育てをする保護者の方々にとっては、無くてはならない子育て支援事業であります。
県といたしましては、「あいち はぐみんプラン 2015-2019」に具体的な設置目標を定めるとともに、市町村に対して、施設整備費や運営費の一部を支援することにより、病児・病後児保育施設の計画的な整備を推進してまいりました。その結果、県内の病児・病後児保育施設数は、計画策定時の平成26年度に60箇所でありましたが、順次、整備が進められ、本年4月1日には、長久手市と飛島村に新たに1箇所ずつ開設され、86箇所となりました。
更に、今年度内には、名古屋市熱田区と蟹江町に1箇所ずつ整備される予定であるため、88箇所まで設置が進み、「はぐみんプラン」に掲げている86箇所の設置目標を上回る見込みであります。しかしながら、提携医療機関の確保や、保育士、看護師等の人材確保が困難などの理由により、1箇所も設置されていない市町村が9市町村ございます。
このため、県といたしましては、近隣市町村による共同設置や広域利用の調整などについて、市町村の保育主管課長会議や、地域ごとの保育課題を検討する地域別市町村担当者会議などにおきまして、引き続き、働きかけを行ってまいります。また、既に病児・病後児保育施設が設置されている市町村につきましても、更なる整備や施設間の相互利用を促してまいります。
こうした取組により、県内のどこに住んでいても、病児・病後児保育を利用できるよう、環境整備に努めてまいります。